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バンドの音作りやアレンジに溺れることなかれ

バンドの音作りやアレンジに溺れることなかれ

バンドをやっているとオリジナルの楽曲を制作することもありますね。
作曲でどこまで作るのかはそれぞれですが、実際にバンドで演奏するとしたらアレンジは必要不可欠です。
今回は音作りやアレンジに関する話をしたいと思います。

曲を生かすも殺すもアレンジ・音作り次第?

メロディとコード進行のクオリティが高くなかったとしても、アレンジと音作りで素晴らしい楽曲に仕立てることが可能です。
しかし、それは言い換えれば良いメロディ・コード進行であったとしてもアレンジや音作りに失敗すれば、せっかくの素材が台無しになるということにもなるのです。

確かに考えてみると、プロのミュージシャンの楽曲を見ると、作詞・作曲の横に編曲者の名前があることも多いですよね。
専門で編曲家がいるという事実が、音作りやアレンジはバンドや作曲において非常に重要な要素であることを物語っていますね。

「そのフレーズ、ちゃんと意味を考えているの?」

とあるシーンに遭遇したことがあります。
あるバンドマンがあるバンドにベースで参加してオリジナル曲を練習していたところ、メンバーからこんな言葉を言われたそうです。

「そのフレーズ、ちゃんと意味を考えているの?ちゃんと一音一音に意味を持たせないとダメだ」

まぁ、確かに言っていることは一見その通りですよね。
フレーズやメロディにおいて意味を考えることは大切ですし、それを徹底している姿勢は素晴らしいものがあります。
結局、彼はメンバーからフレーズを一音一音全て指定されたベースラインを弾くことになったらしいです。

深ければ良い、凝ったから良いという話でもない

しかし、音楽の難しさというものは深ければ良い、凝ったからよい物が出来るとは限らないところです。
一音一音に意味を込めたアレンジ・フレーズというのは確かに手間のかかったものですが、リスナー側にそれがうまく伝わらなければいけませんし、それをリスナーが気に入らなければ結局、意味がありません。

音楽とは構文や理論の積み重ねを聴くものではなく、心が感じるままに自由に聴くものだと個人的には思います。
たとえ、フレーズに意味がなくても、突然ひらめいて自分が良いと感じるのであれば、それも一種の正解です。
フィーリングというものが音楽では大きなウエイトを占めているのです。

そのアレンジ、その音作り、自己満に陥っていない?

バンドとは多くの場合、自己満足によって行われていると思います。
それは自分ももちろんそうです。
しかし、自己満足の深みにはまって、音作りやアレンジに溺れてしまっては、音楽という本質を見失うことがよくあります。

自己満足にも種類があり、ひらめきや直感に対する自己満足であればよいですが、考察に考察を重ねた結論に対する自己満足、一種のナルシズムを持っている人というのは心配です。
特に「音楽」や「作曲」について自分から話を振ってきて語る人というのは、経験上、そういう傾向にあります。結局何を伝えたいのか分からない、もしくは楽曲が魅力的に聴こえないということが多々あります。
バンドマンが持つべき自己満足とは「聴く人を満足させるための自己満足」だと自分は思います。



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