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バンドがライブのチケットを無料で配ることのリスクとは?
ライブハウスに出演する際には、出演料としてチケットノルマが課されることが多いです。
そしてそのチケットには、ライブハウスまたは企画ライブの主催者が決定した値段が設定されています。
しかし、そのチケットを事前に受け取り、それを自分のバンドのお客さんにいくらで売ろうが自由です。
もちろん無料・タダで渡すことも。。
今回は、そんなアマチュアバンドがライブのチケットをお客さん候補に無料で配ることがもたらすリスクや危険性を考察します。
ライブチケットを無料にするのはよくない
ライブのチケットを無料で配ることはハッキリ言って良いことではありません。
それは自分たちの財布が痛む・・・というだけのことではなく、自分たちのバンドはもちろん、ライブイベントの運営、そしてひいては音楽業界全体に対しても損害を与えているのです。
その理由をいくつか挙げてみましょう。
バンド側が支払う金額が増える
まず、自分たちのバンドにとっての痛みです。
お客さんにチケットを無料で渡すということは、自分達でお客さんのチケットを負担していることに他なりません。
本来であれば、出演料から差し引かれる部分を自分達で支払うことになるので、お客さんを呼んでも呼んでも金銭面でのメリットはありません。
ライブのチケット代=ライブの価値
金銭面とは違う部分のマイナスもあります。
それは、バンドやそのライブのブランディング・価値に傷をつけるということです。
Mr.ChildrenやBUMP OF CHICKENといった人気バンドのライブのチケットは結構いい値段がします。
もちろんライブ会場が大きく、会場費や人件費など様々な部分でお金がかかっていることもあります。
しかし、それでも売れ残ることなく即座に完売するということは、それだけお金が払う価値があるということを多くの人が感じているからなのです。
チケットに価格をつけないということは、そのライブの価値に値打ちがないということになります。
ライブのチケット代とは、まさしくそのライブの価値そのものなのです。
それを無料で投げ売り(もはや売ってもいませんが・・・)するということは、自分たちのライブには1円の価値もありませんと言っているようなものということです。
無料で見られるライブ自体はある
とはいえ、街中でやるライブやもともとチケットに価格が設定されていないライブもあります。
チケットにお金がかからないのであれば、そのライブにも価値がないということでなるのかというと当然そうではありません。
街中で開催するライブでチケット代を回収することは物理的にも無理がありますし、ライブの目的が地域の活性化や町おこし、または広報や他で収益を上げるといった目的でライブを行っている場合があります。
その目的を達成する実力・価値が出演バンドにあると見込んでいるからこそ、演奏者ではなく出資者や主催者が金銭的な負担や投資を担っているのです。
対バンならお客さん同士で不平等に
自分のバンドの枠だけでは収まらない問題も起こり得ます。
それは、バンド間によるチケット格差が生まれることです。
チケットの販売を出演バンド達でさばく「対バン形式」のライブの場合、当然バンド毎に違った価格で販売することが出来てしまいます。
あるバンドを見に来た人は定価でチケットを購入して見に来たのに対し、別のバンドを見に来た人は無料でチケットを手に入れて見る・・・という事態が発生することになります。
これは定価で購入したお客さんからするととてもアンフェアだと思います。
加えて対バンで出演しているバンドから見ても、自分達のライブを安物買いされたという不快な感情を抱くかもしれません。
ライブは無料で見るもの?
チケットの無料配布が定着してしまうと、ライブを見に来るお客さんが「バンドのライブは無料、またはドリンク代だけで見るもの」という捉え方をしてしまう恐れがあります。
CD販売の不振や違法アップロード、定額配信などにより音楽の価値がどんどん目減りしている現代において、ライブというのは収益の柱とも言える存在です。
プロとアマチュアという違いこそあれど、音楽にお金を払う文化が弱まっていけば、音楽業界はどんどん衰退していきます。
そしてバンドやアーティストが活躍する場も減ってきてしまいます。
結局全ては自分たちに跳ね返ってきてしまうのです。
初めてのライブでもお金をとってよいの?
ライブのチケットを無料で配るのも仕方ないというケースについても考えてみましょう。
生まれて初めてライブをするというようなシーンにおいては、それも止む無しかなというのはあります。
最初からクオリティの高いライブを出来ることはそうそうありません。
そういう意味では仕方ない面もあるでしょう。
オーディションライブで集客が必要な時は?
ライブハウスで主催するブッキングライブに出演するためのオーディションライブというものがあります。
このオーディションライブに合格すれば、そのライブハウスのブッキングライブに出ることが出来るというものです。
これは演奏力や楽曲のクオリティといった音楽面の他に、どれほどの集客力があるのかという面を審査されることもあります。
そのため、オーディションライブにパスするために、無料でチケットをバラまいてライブ会場を埋めるというのはありでしょうか。
その答えはそのバンドの考え方次第となりますが、個人的にはそれも正直推奨できません。
自分よりレベルの高いバンドが多く出演するライブハウスのブッキングに身を置くことは確かにバンドの成長につながるかもしれません。
しかし、ライブのチケットを無料で配らないと集客が出来ない程度のバンドの場合、正直実力はその環境には見合っていないようにも思えます。
付け焼刃ではごまかすことが出来ない場合は、かえってお客さんに自分のバンドと他のバンドとの差を見せつけることにもなってしまいます。
それならばしっかりと実力をつけて、バンドの価値を向上させてから再挑戦した方が堅実かもしれません。
チケット代に見合うバンドになろう
チケット代というのは、決して安い金額ではありません。
実際には、お客さんはチケット代や交通費といったお金や時間を使ってライブに見に来てくれています。
だからこそ、その価値に見合うライブや音楽を提供する必要があります。
チケット代に見合う価値があったのかを判断するのはお客様自身であるため、どんなに力を尽くしても評価してもらえないシーンというのはあります。
しかし、お客さんからチケット代をもらって演奏しているというプロ意識を持ち、バンドやライブの品質向上に貪欲になっていくことがバンドマンとしての成長には大きな影響を与えるはずです。
フルプライスでの販売は難しくても、とにかくお客さんからお金をもらってライブすること。
そして責任感を持ってバンド活動に取り組む習慣をつけることが大切だと自分は思います。
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