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売れ線メロディー・ポップスの何が悪いのか

売れ線メロディー・ポップスの何が悪いのか
カテゴリ:  ポップス   作曲・アレンジ  

CD売上ランキングやダウンロード数など、楽曲の人気を表す数値がいくつかあります。 この数値が高ければ高いほど、その楽曲はより多くの人に支持されているという証明になります。 しかし、いわゆる「売れ線」というものには、それに反発する人というのも増えてくるものです。

売れ線のメロディーやポップスはダメ

音楽通と呼ばれる人には、「いかにも売れ線のメロディやポップスはダメ」という考えの人が一定数いるようです。 実際に、大学時代に自分が所属していたサークルでは、いわゆる売れ筋のポップスには誰も見向きしないどころか「ポップスなんて分かりやすくて退屈だよね」という話をされたこともあります。 自分はずっとポップスに誇りを持っていますから、ポップスの奥深さや難しさも理解しているつもりですが、「売れ線=分かりやすい=薄っぺらい」と考える人がいることを実感しました。

実は売れ線には高い能力が求められる

確かに個人の考えは人それぞれですし、いわゆるリスナー側であればそう考えること自体も全然構わないと思っています。 しかし、演奏する側、表現する側、創造する側である場合には批判するだけではダメだと思います。 「売れ線は薄っぺらい」と切り捨てるのは簡単ですが、その売れ線のメロディー・曲を作ることは実はとっても難しいのです。

多くの人に気に入ってもらうことは難しい

売れ線ということは、「誰にでも広く受け入られやすい」「多くの人が好感を持つ」メロディーまたは楽曲である必要があります。 一人の人に気に入ってもらうより、二人、三人と多くの人に気に入ってもらえる方が難しいものです。 それを何千、何万、何十万、何百万という途方もない人数の人に気に入ってもらうことは更に難しいのです。

覚えやすい、親しみやすい、耳に入りやすいというシンプルさはもちろん大切ですし、平凡では退屈、色物過ぎると好き嫌いが分かれます。 多くの人が聴いて「この曲は良い」と思うほどのクオリティも必要になります。 そんな曲を一体、何人のバンドマンが書けるでしょうか。 つまり売れ線メロディの曲を作るには、繊細なバランス感覚とエモーショナルな感性と高いメロディ作成能力が必要となるのです。

プロを目指すバンドマンならその考えは危険

もし音楽・バンドのプロを目指すのであれば、売れ線メロディを作ることは避けては通れない道となります。 プロというのはビジネスですから、自分の音楽をより多くの人に届け、より多くの人に気に入ってもらい、お金を払ってもらう必要があるのです。 「オリジナリティがあれば売れる」なんていってどんどんニッチでサッチでマニアックな音楽性を突き詰めていっても、よりファン獲得を狭めていることになりかねません。

むしろそれって嫉妬?

売れ線、つまりは売れている音楽を否定する人というのは、自分がそういう「多くの人から評価される音楽」を作ることが出来ない故の嫉妬という感情も含んでいるような気さえします。 音楽は好き嫌いがあってナンボですから、多くの人から人気を集めている音楽を気に入らないのは自由ですが、そういう音楽の本質を否定するのは、あまり良い行為ではないと自分は思います。

売れ線メロディを考えることはメロディセンスを向上させる

もし作曲をされている方であれば、試しに売れ線だと思うメロディを考えてみてください。 売れているメロディと自分のメロディが何が違うのか、多くの人に支持されるメロディのポイントとは何なのかを考え続けることは、メロディを作るセンスや感性を磨いてくれるはずです。 その経験を自分の好きな音楽にフィードバックすることで、作曲のレベルがより上がると思います。



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