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歌詞とメロディ・音楽、曲の表情や世界観を決定づけるのは?

歌詞とメロディ・音楽、曲の表情や世界観を決定づけるのは?
カテゴリ:  ポップス   作曲・アレンジ   音楽ネタ  

「これは明るい曲だ」や「この曲は切なすぎて泣ける」といったように、楽曲の表現する感情を感じ取ることはよくありますね。
歌ものの楽曲であれば、歌詞と音の2つによって構成されています。
一体、リスナーはどちらの要素で曲の表情や世界観、ストーリーを読み取っているのでしょうか。

大部分は歌詞が担い、音が補完する

個人的に思うのは、曲の世界観や表情というのは歌詞で大部分が決まるということです。
歌詞は物事を明確に表現することが出来ます。
そして、歌詞が作る世界を補完し、より具体的に仕上げるのが音であると考えています。

歌詞は直接的な表現

例えばとても暑苦しい伴奏とメロディの曲があったとしても、その歌詞が「冬」だと言えば、その曲は冬なのです。
比喩や伏線として真逆の言葉を使うこともありますが、言葉を用いる歌詞というのは非常に具体的で明確な表現力を持っています。

一方のメロディや伴奏といった音もある程度の表現は出来ます。
というよりも、表現の激しさや鮮烈さで言えば、歌詞を遙かに凌駕しうるものです。
しかし、聴いている人に表現したい感情が明確に伝わるかと言えばそうでもありません。
音による表現は聴く人によって印象が変わりうる抽象的なものなのです。

とはいえ、音やメロディは曲の表情には関係ないのかというと、そんなことは決してありません。
歌詞というのは、音が無ければただの言葉の集合体であり、ただの詩でしかありません。
そこに音楽的な息吹を与えるのが、メロディや伴奏や楽器の音色といった「音」なのです。

歌詞と音の距離感を考えてみる

歌詞と音の雰囲気が近い

歌詞と音・伴奏の雰囲気が近づくと、歌詞が表現する感情やストーリー、世界観を大きく増長してくれます。
そのシンクロによって、その楽曲は非常にダイレクトなメッセージをリスナーに届けることが出来ます。

歌詞と音の雰囲気が遠い

一方、両者の雰囲気が離れているとどのような印象を受けるのでしょうか。
歌詞と音の間に違和感が生まれれば、歌詞が表現する内容の信ぴょう性や重みというものが弱まってしまいます。
また、結局何を伝えたいのかがリスナーに伝わりづらく、そういった曲は評価も芳しくないことが多いでしょう。

敢えてギャップをつける

しかし、あえてその違和感を与えるように作りこまれた楽曲であれば、その限りではありません。
歌詞と音の表現にギャップをつけることにより、歌詞から直接読み取れないような複雑な感情というのを表現することが出来ます。

例えば、歌詞を別れを惜しんでいる内容に対して、さわやかで明るい音楽だったらどのような印象を受けるでしょうか?
別れが全く辛くないなんて、薄情な歌だなぁ・・・と思うことはあるでしょうか。
むしろ「別れを乗り越えて前向きに歩いていこうとする健気な姿勢」という印象を受けることもあるはずです。
このように、歌詞と音楽の距離感を離すことでしか複雑な感情を表現できないということもあるのです。

自分の好きな曲はどんな距離感?

以上、楽曲で感情を表現する点において、歌詞と音楽がそれぞれどのようなウエイトで、どんな特徴や関連性があるのかを考えてみました。
これをお読みいただいた方は、歌詞と音楽の距離感が自分が好きな曲ではどのように表現されているのかを考えてみてはいかがでしょうか。
自分がどうしてその曲を好きなのか、またはその曲がどのように考えて作りこまれているのかを感じ取れるかもしれません。



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