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aikoのアルバム「秘密」は秘密にしておくにはもったいない名盤

aikoが2007年に8枚目のアルバムとして世に出したのが「秘密」。
このアルバムは、aikoがリリースしてきたアルバムの中で個人的に1、2を争うほど好きなアルバムで、アルバム名通り秘密にしておくのはもったいないと思い、 今回はこのアルバムを紹介したいと思います。

収録曲の紹介・感想

You & Me both

aikoにしては珍しいイントロとしての短い曲です。
静寂の中で少しずつ熱を持って行くピアノの出だしから、これから始まる秘密というアルバムを予感させるように、透明感がありつつもどこか寂しげに盛り上がっていきます。

二人

23枚目のシングル曲でもある「二人」。
実は1曲目である「You & Me both」と曲名からも近い意味を持ちますが、曲のつなぎ方を見ても、まさしくこの2曲は2つで一つ。
疾走感がありながら、胸を打つ切ない雰囲気が前面に押し出されているナンバーは、聴く側の気持ちを嫌でも盛り上げてくれます。
熱を持たない冷たい音作りは、秋から冬にかけての肌寒い季節の夜を連想させます。

学校

始まりのピアノがチャイムのようなアクセントに感じられる、ゆったりとしたテンポでジャジーな雰囲気が特徴の楽曲。
恐らく高校三年生で進路を考える時期の曲に思えます。
トンネルというのがこのアルバムの一つのキーワードでもあると感じます。

キョウモハレ

キョウモハレも同じくミドルテンポの楽曲ですが、こちらはよりゆったりとした雰囲気です。
晴れた空というのは本来、心をわくわくさせたり気持ちの良いポジティブな印象を与えるものですが、この曲においては、後悔と喪失感、茫然とした空っぽの心境をより強調するものとしているように感じます。
青い空のキラキラした世界から取り残されているようなイメージでしょうか。

横顔

22枚目のシングルでもある「横顔」はいかにもシングルといった分かりやすく完成度の高い楽曲です。
この秘密というアルバムではシングルも割と影があり、奥ゆかしい(?)曲ばかりのため、こういう勢いのある明るめの曲は貴重な存在で、ちょうどよいメリハリになります。

秘密

秘密はアルバム名を冠する曲で、このアルバムにおいて重要な位置づけともいえるスローテンポのバラードです。
どこか影を感じる歌詞と壮大な演奏をファルセットを織り交ぜながら歌いあげるaikoには脱帽ものです。
正直、これまでのaikoの楽曲とは一線を画す世界観・スケールの大きさを感じますが、個人的にはこのアルバム一押しの曲です。

ハルとアキ

秘密に続くハルとアキは、シャッフルテンポによるミドルテンポの楽曲です。
感情を大きく揺さぶった秘密から一転、心を落ち着かせるしっとりした仕上がりになっています。

星電話

星電話はaikoのねっとり絡むようなメロディではなく、リズムにメロディを素直に乗せた楽曲でなかなか新鮮です。
早いテンポに合わせた情緒感あるコード進行は、星や夜をイメージさせる不安感や暗さと澄んだ空気感をうまく表現しているように感じました。

恋道

恋道はミドルテンポで、縦ノリで一歩一歩歩いていくような楽曲です。
歌詞から察するに遠距離恋愛の曲であると思われますが、とてもうまい表現と感じたのが「呼吸で聞かせて愛の程 電気消して話そう」という部分。
遠距離で会えない期間が多い。だからこそ電話をしている時は少しでも相手を感じたくて、電話から流れる音を聴くことに集中している恋愛にひたむきな様子が浮かびます。
呼吸をしっかり聴けるように耳を研ぎ澄ますには、電気を消して目を閉じて、全神経を耳に集中させる必要がありますからね。

星のない世界

22枚目のシングルでもある「星のない世界」は横顔と両A面のシングルで、ミドルテンポのバラードです。
秘密というアルバムはどの曲もどこか影というか切なさを持っていますが、この曲はまさしくそんな秘密にふさわしい楽曲です。
歌詞の内容としては、星がないような暗闇の世界でも大切な人を見つけられるくらい相手のことを好き。不安で病みそうになることもあるけど、自分は一人ではなく本当の宝物ともいえる大切な相手のぬくもりを見つけられたという、切ないほどの深い愛を歌った歌のようです。
演奏面においても、とぎれとぎれに流れるエレキギターの音や、切なさを煽るコード進行などが、歌詞の世界観を120%活かすように作られています。

シアワセ

続くシアワセも深い愛を歌ったシングル曲です。
シアワセについては『aikoの「シアワセ」の歌詞から考える幸せの意味とは?』に感想があります。

ウミウサギ

ウミウサギはタイトルからしてちょっと変わった曲です。
ウミウサギとは貝の一種のことですが、この曲の歌詞では、海や星の砂という単語が出ていることから、一応その意味ということでしょう。
歌詞はどこか意味深ではっきりとしたシーンは描かれていません。

しかし、この曲では「きみはわたし わたしはきみ」という表現があります。
「あなたと私」というテーマでどこか影を持ちながら進んできたアルバムは、曲を追うごとに想いの深度を増していき、 「シアワセ」を迎えて、二人が一つになったというゴールを示しているのかなと感じたりもしました。

約束

そして秘密のアルバムをしめくくる「約束」。
ミドルテンポのしっとりとしたバラードで、まさしく秘密の終わりにふさわしい楽曲です。
前曲のウミウサギで秘密というアルバムは完結したけど、また新しいaikoを届けるからねというような意味合いが込められているのかと思いましたが、「再会」を強く歌っている曲です。

アルバムとしての抜群の完成度

秘密は、世間が持っているaikoに対するイメージ・・・元気とか恋愛ジャンキーといったイメージからは少し異なる印象を受けるアルバムであると思います。
秘密というアルバムタイトルが持つように、どこか影があり奥ゆかしさを感じさせる楽曲が揃い、大人向けのアルバムかもしれません。
そのため、aikoファンの方々の間でも初心者向けではないとも評されています。

しかし、個人的な目線で言えば、aikoのこれまでのアルバムで、秘密ほどアルバムとしての構成にこだわったアルバムはないと感じています。
一つのアルバムで共通したテーマを持ち、それをだんだんと昇華させていき、エンディングを迎える・・・そういう盛り上がりが非常に鮮烈に感じれるアルバムであることは間違いありません。
1曲1曲のクオリティはもちろんですが、アルバムとしての完成度は抜群に高いという印象です。

吐息で魅せる大人のaiko

秘密というアルバムでは、しっとりとした曲が多いこともあり、aikoが声を張り上げるシーンというのは非常に少ないです。
サビだから盛り上げる・・・というよりも、感情をより繊細に表現することに重きを置いているように感じます。
特に囁くような吐息のような声の使い方が、表情に奥行きをもたしており、今までのaikoのアルバムにはない大人の表現力が素晴らしいです。

aikoといえば恋愛にまっすぐなかわいい女性ボーカルという印象が目立っていましたが、それに加えて大人の女性が持つ柔らかさ、懐の深さを融合させたより進化したaikoの音楽が楽しめる一枚となっています。

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